Web3.0って何?

<第5回>おやじ向け「NFT」入門 初級編

こんにちは猿田彦ジョージです。今回は「NFT」の初級編です。俺自身をふくめて、おやじにとっては結構難解なので、3回に分けて紹介します。ちなみに「NFL」(アメフト)ではありません。「NFT」は、Non Foungible Tokenの頭文字の略で、エヌエフティーと読みます。その意味するところは、「代替できないトークン」です。「代替って何?」「トークンって?」。いろいろ疑問は残りますが、少しずつ「NFT」を理解していきましょう。

【その1】Web3界隈で「NFT」がやたらと盛り上がる

まずは「NFT」がどんなものであるのかを、ざっくりとイメージをつかんでみましょう。

 今、Web3.0界隈で何かと注目を集めている「NFT」、特に盛り上がっているのは、アートの分野です。具体的には、デジタルで作られたイラストのアイコンなどが、高値で取引されています。

もっとも有名なNFTアートのひとつに、2017年に提供を開始したクリプトパンクス(cryptopunks)があります。24×24サイズのピクセル絵で、5つの顔と92種類のアクセサリーを組み合わせて作った顔のアイコンです。

引用元:CryptoPunks

世界最古のNFTアートと言われているクリプトパンクスは、総発行点数1万点という希少性があり、数十万円から数十億円で取引されほど価格が高騰しています。著名人はもちろん、企業が所有しているケースもあります。

クリプトパンクスの公式ページ

https://www.larvalabs.com/cryptopunks

【その2】コピーできるデータなのに、なぜ取引対象に?

デジタルデータといえば、一般的には簡単にコピーできるものですよね。

実際に、クリプトパンクスのアイコンも、Web上に画像がたくさん出ているので、それは簡単に不特定多数の人が見たり、その画像を手に入れたりできます。にもかかわらず、このような高値で取引されるのは、どういうことなのでしょう? 

それを可能にしたのは、ブロックチェーン技術です。取引をしたとき、NFTアートの取引履歴がブロックチェーンに残り、持ち主の権利が保証されます。いわばデジタル世界の契約書が発行されるようなイメージです。それによって、従来のアート作品や土地の売買と同じように、自分の保有物として取引できるようになったのです。

実際に契約書が発行されるわけではないが、ブロックチェーンに記録されることは、それと同等の意味があります。

【その3】どんな目的で「NFT」を買っているの?

NFTを購入する目的は人それぞれ異なりますし、購入する対象物によっても変わってきますが、一般的には以下のようなイメージかと思います。

 NFTを入手する動機は、1つは保有することの満足感です。これはゲームで強いキャラをゲットしたり、希少性の高いレアなトレーディングカードを所有したりする感覚に近いかもしれません。

NFT がデジタルのイラストであれば、SNSのアイコンとしても使用できます。さりげなく、数千万円で購入したクリプトパンクスのアイコンを使っている人もいます。利用する人の中には、ステータスを感じたり、ファッション的な意味合いで使用していたりします。これはベンツとかポルシェに乗る感覚に近いんですかね。

 何といっても動機として大きいのは、購入後の価格上昇の期待があると思います。長期保有することによって価格が大きく上がったところで、売って利益を得たり、価値が増幅することにさらなる満足感を得たりするという具合です。

NFTは、人の満足感を充足させるもの? どうも、それだけではないような……。

【その4】結局のところ、「NFT(代替できないトークン)って何?

まず、「代替できるトークン」は、暗号通貨(仮想通貨)です。数量や品質によって同等の商品と交換できるのが通貨の特徴です。

それに対して、冒頭で取り上げたように、「NFT」の意味するところが「代替できないトークン」です。言い換えれば、貨幣のようには「交換できないトークン」ということです

「トークン」は、いろいろな意味で使われますが、ここでは暗号資産という意味でとらえれば良いと思います。

まとめると、「NFT」とは、ブロックチェーン技術によって唯一無二の価値を保証されている、貨幣のようには交換できない暗号資産ということです。

「NFT」は、ただたんに新しいデジタルの世界の投資対象という枠に収まらず、これからのWeb3.0の世界を構築するうえで、極めて重要な役割を持っています。中級編、上級編でさらに、その可能性に迫ります。

        トークン(暗号資産) Token

代替できるトークン

(Foungible Token)

【例】

暗号通貨など

NFTを購入できるのはどの暗号通貨でもできるわけではありません。その代表格である暗号通貨イーサリアム(ETH)については、次回取り上げます。

代替できないトークン

(Non Foungible Token)

【例】

デジタルアート、アバターのスキン(見た目や服など)、ゲームのキャラクターやアイテム、バーチャルな土地など

《まとめ

実は、「NFTアート」を所有したくなる気持ち、まだいまいち理解できていないっす。「えっ、ファミコンみたいなポリゴン画像に、そんなに高値を払うの!?」って、ちょっと引いちゃっている自分がおり、昭和的な物質主義から脱却できない猿田彦です……。しかし学ぶに連れ、少しずつ変化の兆しも……。次回の中級編では、「NFT」の入手方法や多様性などを、さらに深く堀り下げていきます。

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