こんにちは猿田彦ジョージです。今回は「NFT」の中級編です。前回、「NFT」とは何かについて迫りましたが、今回は「NFT の成りたち」や「NFT の種類」などを紹介していいきます。今回の主役は、ずばりイーサリアムという暗号通貨です。暗号通貨だったら、何でもかんでも「NFT」につながると思ったら大間違いですよ。
【その1】暗号通貨(仮想通貨)ごとにブロックチェーンがある
2009 年に誕生したビットコイン(BTC)は、ブロックチェーン技術によって守られる、世界初の暗号通貨として登場しました。そして、それを参考にして、新たなブロックチェーン技術や、それに代わるような技術を開発して、後発の暗号通貨が次々と誕生することになりました。
つまり、ブロックチェーン技術(あるいはそれに類する技術)は、暗号通貨ごとに存在するということです。そして、それぞれの暗号通貨のブロックチェーンごとに、技術の高さやセキュリティーの強度は異なるし、それぞれに個性があるということです。
イメージとしては、それぞれ暗号通貨の王国があって、ブロックチェーンという城壁に守られて存在するという感じです。その中の一つ、イーサリアム王国で、これまでにない画期的なしくみが誕生したんです。
暗号通貨版『キングダム』のイメージ
【その2】暗号通貨イーサリアムが、新たな世界観を提示する
暗号通貨の中で、一風変わった世界観を打ち出したのが、2015 年に誕生したイーサリアムです。
イーサリアムは、「コミュニティー」に重きをおいた暗号通貨で、暗号通貨そのものをインフラとしながら、新たな経済圏を作り出したのです。いうなれば、イーサリアム王国の中で、イーサ(ETH)という暗号通貨をかいして、様々な取引をできるようにしたということです。
このような暗号通貨のブロックチェーンの中に作られた新たな経済圏を、クリプトエコノミーといったりします。このようなイーサリアムが提案する、中央集権型の世界とは異なる、個々で自由に取引できるクリプトエコノミーこそが、まさにこれからの Web3 の世界を作り出す土台となるものです。
【その3】ありとあらゆるものが NFT 化できる
そしてこのようなイーサリアムの経済圏の中で取引される対象となるのが「NFT」です。たとえば、CryptoPunks(クリプトパンクス)のようなイラストアイコンの NFT アートを、イーサ(ETH)をつかって、個人間で自由に売買できます。取引されているものは他にもたくさんありますが、現在の主なジャンルを整理すると、次のようなものに分けられます
① NFT アート
様々な NFT アートが取引されている。BAYC(Bored Ape Yacht Club)のように、イラストアイコンの保有者だけが参加できるコミュニティーがあるなど、メンバーシップ(会員証)のような役割をするものもある。
②NFTゲーム
ゲーム内のアイテムやキャラクター、アバター(自分の代わりとなるキャラとその着せ替えアイテムなど)なども取引される。AxieInfinity(アクシーインフィニティ)というゲームでは、レアなキャラは 1 体 1000万円以上で売買されている。
③バーチャルな土地
NFTゲーム、メタバース(仮想空間)の中で、バーチャルリアリティ空間の土地がまるで本当の土地を売買するように NFT 化されて販売されている。所有する土地には、自分で好きに使えたり、転売できたりする。
ちょっと変わったところでは、Twitter の創業者であるジャック・ドーシー氏の「自分が投稿した最初のツイート」を NFT にして販売したところ、3 億円超で落札されたというものまであります。アイデア次第で、さまざまなものを NFTとして販売できる可能性があるということです。
【その4】「スマートコントラクト」で個人の自由な取引が可能に!
NFT の取引は、個人と個人で直接行うことができますが、それを可能としたのは、イーサリアムのブロックチェーンに組み込まれた「スマートコントラクト」です。
これはあらかじめ売買の際の契約条件を設定しておくことで、ブロックチェーンに記録された取引の契約内容を、自動的にプログラムが実行していきます。いわば「デジタル契約書」にのっとって、契約内容を代理人が実行してくれるようなイメージです。人の手をわずらわせることがないので、低コストで時間もかけず、簡単に契約が結べ、その内容を実行してくれるということです。
これは個人のクリエイターにとっても、ありがたいしくみです。たとえば、NFT を販売する際に、「取引の度に、制作者に取引金額の 10%のロイヤリティー(著作権料)がはいる」といった契約内容にしておけば、その NFT が転売されたとしても、その都度、ロイヤリティーが自動で振り込まれることになるのです。クリエイターにとっては、夢が広がる話ですよね。
《まとめ》
俺の中では、暗号通貨はビットコイン(BTC)一強なのかなと思っていましたが、思わぬ伏兵が現れましたね。イーサリアム(ETH)、俄然興味が湧いてきて、先日口座開設したコインチェックから見てみました。ところが、販売所(定額売買)では買えるけど、取引所(入札売買)ではイーサリアムは入手できないことが判明。「(ガーン)なんでだよ!」。ビットフライヤー、GMOコイン、FTX、bitbank、BITPOINT、SBI VC トレードなどでは取引所で買えるみたいなので、もう1つ口座開設するかぁ……