Web3.0って何?

<第11回>これはWeb版フランス革命!? Web3で世界はこうなる! かも

こんにちは、猿田彦ジョージです。今回は、Web3シリーズの最終回です。今や日本政府も推進するなど、「Web3」は各方面で注目の的となっています。これまでのおさらいも含めて「Web1」「Web2」にも少し触れながら、「Web3で世界はこうなる!かも」を、願望も含めて紹介していきます

【その1】「Web1」「Web2」で、世の中は格段に便利に!

インターネットが普及したことで、世の中の構造は大きく変わりました。

「コミュニケーション」の手段は、メールやSNSが用いられるようになり、人が直接会わなくても情報やデータのやりとりができるようになりました。

「ショッピング」も、お店に出向かなくても、ECショップなどで注文すれば、宅配業者がもってきてくれます。デジタル化された本や映像、音楽などは、その場で手に入ります。

「情報収集」の在り方も様変わりしました。スマホやタブレットの普及もあいまって、手軽にインターネットでニュースや知りたい情報が調べられるようになりました。

「情報発信」が手軽にできるようになったのも、大きな変化です。ブログやYouTubeなどを使って、誰でも情報発信できるようになりました。

 インターネットや端末の進化で、現代人は多くのたくさんの恩恵を受けていますが、その一方で、あやうい状況にも置かれています。

【その2】一部の企業が、圧倒的な力を手に入れることに……

インターネットの成長とともに、GoogleやAmazon、Facebook、Appleといった大企業が、大きな力をにぎるようになりました。

それらの会社の頭文字をとってGAFA(ガーファ)などといわれたりしますが、これらの企業は、新たな社会のインフラとなるような、便利で革新的なサービスを提供し、世の中に多くのメリットをもたらしています

一方で、国家予算を越えるような利益を得ている、これらの莫大な力を持つ企業の台頭によって、デメリットも生じています

まず、たくさんの個人情報や個人ログを所有するため、情報漏洩の危険があったり、個人情報が悪用されてプライバシーが脅かされたりする危険があります。実際に2018年にアメリカでは、Facebookが、8700万人の個人情報を政治利用したことが明るみになっています。

圧倒的な力で市場を独占しているため、後発企業の参入を邪魔したり、競合つぶしの目的で企業買収を行ったり、といったこともこれまで行われてきました。

2020年にGAFA4社の合計株式時価総額が7兆500億ドル(約770兆円)に達し、日本企業全体の合計株式時価総額6兆8600万円(約750兆円)を越えました。

【その3】他社(他者)を犠牲にしながら生き残る世の中は嫌だ

猿田彦自身、最近、「権力の暴挙」を感じたのは、2022年10月のApp Store でのApp内課金の値上げですね。円安・ドル高などによる影響の中で、アプリの課金料金が3割強、いきなり値上げされました

結局、アプリを提供する会社が、ユーザーからの悲鳴をあびて、これまでと同等のサービスを維持するような「アプリ内調整」が行われていました。

ユーザーとしてはホッとする一方で、結果的にはアプリを提供する会社が身をけずっているわけですよね。あれだけ寡占状態で市場を席捲していながらも、自社の利益のみを追求する姿勢は、「Appleだけよければ、他は損をしても良いのか?」と、ちょっと悲しい気持ちになりました。

それが、企業が利益を追求し続ける資本主義というもので、仕方がないことなんですかね? なんだか、サラリーマンの愚痴っぽくなってしまいました。

App内課金の値上げは、最低価格120円→160円に大幅引き上げされました。最高価格は1万5000円→1万9800円と5000円近くの値上がり。世界中のゲームユーザーに激震が走りました。

【その4】「Web3」によって、企業や国家から解放される⁉

「Web3」では、ブロックチェーン技術などによって、これまでのような大企業が個人情報を持つしくみ(中央集権型)ではなく、個人がそれぞれに個人情報を管理するしくみ(分散型)が実現されます

これまでの「Web1」、「Web2」では、インターネットの世界に、Google、Facebook(Meta)、などが、プラットフォーム(サービスを使うための共通の土台となる環境)を提供していました。利用するには、それぞれアカウントを作る必要があり、別のサービスでの連携はありません。

それが「Web3」になると、インターネットの世界に、まずブロックチェーンというプラットフォームがあって、その中にNFTゲーム、NFTマーケットプレイスなど、いろいろなアプリ―ケーションがあるという構造になります。アカウントに相当するのは、そのブロックチェーン技術のもととなる仮想通貨(イーサリアムなど)のウォレットです。

たとえば、NFTマーケットプレイス(お店)で購入したNFTアートは、ウォレットに登録されるので、それをNFTゲームの中で活用できたり、別のNFTマーケットプレイスで販売したりできます。

「Web3」では、大企業のプラットフォームの枠から解放され、新たなブロックチェーンというプラットフォームで、もっと自由にサービスを楽しめ、公平な取引が可能になることが期待されます。

ブロックチェーンの領域は、どの国家にも属さない場所。世界中の個人や組織が集う、資本主義とは別の新しい経済圏が誕生する可能性を秘めています

楽園のような理想世界が待っているように見えるかもしれませんが、実際にはどんな世界になるかは未知数です。

《さいごに》

下手をすると、ブロックチェーンの中にも、強い力をもった企業が台頭し、今のGAFAに置き換わっただけという状態になる可能性も。個々が自由になる分、リスクも伴うので、セキュリティー対策をしておかないと、ハッキングされて資産を奪われる危険性もあります。「Webの世界をどんな風にしていきたい」あるいは「こんな世界にはしたくない」、そんな理想を持って追求していくことが大切かもしれません

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