こんにちは、猿田彦ジョージです。今回は、Web3を支える重要な技術であるブロックチェーンについて取り上げます。俺自身、理系的な用語とか、横文字とかが出て来ると、拒否反応が出て来てきてしまいます。なので、今回はできるだけそういった言葉を使わないように注意しながら、ブロックチェーンを説明していきます(そんなことできるのかよ?)。自問自答の心の声が聞こえてきましたが、がんばります……。
【その1】ブロックチェーンはとにかく安全性が高いしくみ
Web3の世界は、ブロックチェーンという技術によって支えられていると言っても、過言ではありません。ここでは最初に誕生したブロックチェーンで、暗号通貨ビットコインに採用されている技術について主に説明していきます。
英語だとピンとこないのでブロックチェーンを日本語に置き換えてみると、「鎖でつないだ塊」という意味になるようです。その名がしめす通り、「情報を塊(ブロック)にして、鎖(チェーン)でつなぐ」という感じで、大切な取引履歴(誰が誰に送金したか)を守るしくみです。
この部分は、飛ばしてもらってもOKですが、どのような構造かも、いちおう解説しておきます。
1つのブロックが作られるとき、取引履歴などのデータの他に、前のブロックの暗号化された数値(ハッシュ値、ナンス値)なども含まれています。このブロックは10分毎に作られ、時系列でつらなっています。1時間に6個、24時間で144個、1年間で52560個作られていきます。2009年に取引が開始されたビットコインのブロックチェーンにおいて、これまで作られたブロックの数は、70万個を超えています。
◆ブロックチェーンのイメージ図
あるブロックのデータを改ざんしようとすると、暗号化された数値が変化するしくみになっています。そうすると、それ以降のブロックの数値もすべて変えなくてはいけなくなります。これは事実上、改ざんすることは非常に困難であり、それゆえにブロックチェーンのデータ改ざんは難しいと言われているのです。
また、ブロックチェーンには、自動修復能力があります。これは後の話とも関係してきますが、ブロックチェーンは不特定多数のデータが世界中に保管されています。もし万が一、一部分だけデータをぬきとられたり、改ざんされたりしても、他の場所にある正しいブロックチェーンの情報に自動で修復されるしくみがあるのです。
ここで一度、イメージを整理します。俺の中におけるブロックチェーンのイメージを、RPG風に表現してみます。取引を改ざんしようとたくらむモンスター(ハッカー)から守ってくれる心強い味方。自動再生機能をもっている超強力な守護天使といったところです。
◆猿田彦ジョージの頭の中のイメージ
ブロックチェーン(RPG編)
【その2】ブロックチェーンが、古い体制の問題点を解決
ブロックチェーンによって何が変わるのでしょうか? 従来のウェブのしくみと対比しながら、説明していきます。
これまでのウェブのしくみは、サービス提供者が中心にいて、すべてのデータを管理する「中央集権型」とよばれる体制でした。この体制の弱点は、次の3点です。
問題1 何らかの原因で中央のシステムが落ちると、サービスが使えなくなる。
問題2 すべての情報が中央に集中しているため、情報を盗まれやすい。
問題3 管理者の都合で情報が改ざん、消去、悪用される危険性がある。
一方、ブロックチェーンでは、それぞれの参加者のコンピューターに取引履歴が台帳のように記録されていくしくみになっています。みんなでデータ管理する「自律分散型」といわれる体制です。以下のように、従来の問題点を解消してくれる新しい技術です。
解決1 一部のコンピューターに障害が発生しても、他のコンピューターは動く。
解決2 ブロックチェーンの暗号技術や自動修復機能で、改ざんは困難。
解決3 ブロックチェーンのデータは、たとえサービス提供者でもいじれない。
◆「中央集権型システム」と「自立分散型システム」
まだまだブロックチェーンの技術は発展途上の部分もありますが、日進月歩し、様々な領域で活用され始めています。
最後に、イメージを整理し、戦国時代風に表現してみます。中央集権型は城主が中心にいる世界、自律分散型はそれぞれの参加者が城を構えてみんなで守る自警団的な足軽軍団といった印象です。
◆猿田彦ジョージの頭の中のイメージ
「中央集権型システム」と「自立分散型システム」(戦国編)
- 城が落とされると終わり
- セキュリティは城主頼み
- 城主の悪だくみは防げない
- 1つ城が落ちても、他の城は問題なし
- みんなで守ったり、修復したりできる
- それぞれの自由が守られている
《さいごに》
ブロックチェーンのしくみを提唱したのは、サトシ・ナカモトという謎の人物です。2008年に、彼が発表した論文の中に、ブロックチェーンの理論が記され、公開されました。そして、このブロックチェーン技術を土台に、2009年に暗号通貨ビットコインが誕生しました。
この人物は、国籍も不明で、実在する人物なのかどうかも、はっきりとわかっていません。なんだか、漫画『ゴルゴ13』の主人公デューク・トウゴウを彷彿させる、ミステリアスな人物です。いつか機会があるなら、ぜひお会いしたいものです。