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<第9回>最近やたらと目にする「メタバース」って何? 中編

今回は、「メタバース」の中編です。メタバースというと必ず名前のあがるゲーム『Fortnite(フォートナイト)』を通して、メタバースとは何かを考えていきます。このゲームを制作する、エピックゲームズ(Epic Games)についてもふれます。今回は、息子に頼んで、「Fortnite(フォートナイト)」をプレーさせてもらいましたよ。

【その1】とりあえず『Fortnite(フォートナイト)』をプレーしてみた

「メタバース」について語るうえではずせないゲーム、それが『Fortnite(フォートナイト)』です。

このゲームは、プレーは無料で、個性的なスキン(キャラクター)やアイテムを用意し、そちらを課金制にすることで収益を得ています。

ゲームの設定は、島という閉鎖された仮想空間の中で展開する、最高100人のバトルロワイアルシューティングゲームです。実際にプレーしてみましたが、操作性もよくて、武器もいろいろな種類があって、なかなかよくできたゲームで楽しいですね。

ストーム(嵐)によって、だんだんと活動できるエリアがせばまっていって、最後に勝ち残ったプレイヤー同士が中央付近で戦い合って、勝敗を決します。上手い人に出くわすと、割と序盤で、瞬殺されちゃいますね。

ただゲームをしてみて感じたのは、このゲーム自体は必ずしも、前回紹介した「メタバース」の定義に、ドンピシャであてはまるわけではない気がしました。空間にも、参加人数にも制限があるし、ゲームの内容も従来からあるオンライン対戦ゲームの一種だと感じました。

それではなぜ、「メタバース」を語るとき、『Fortnite(フォートナイト)』がよく取りあげられるのでしょう?

島に飛行機から降下するところから、ゲームはスタート。どこに降り立つかも重要な戦略。まずは武器を探して、その武器で他のプレイヤーを倒していきます。最後の一人になったら勝利というバトルロワイヤル形式で勝敗を決めます。

【その2】エピックゲームズ(Epic Games)の企業としての姿勢がすごい!

『Fortnite(フォートナイト)』を作る会社エピックゲームズ(Epic Games)のティム・スウィーニーCEO(最高経営責任者)が構想するメタバースは、「ユーザーが自己表現したり、相互に自由に交流したりできる、デジタル化された広大な共同スペース」だといいます。

エピックゲームズ(Epic Games)がすごいのは、『Fortnite(フォートナイト)』を作るベースとなっているゲームエンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を、クリエイターに無償提供していることです。

これを使うことで、世界中のクリエイターが自由にゲーム制作に活用したり、3D制作ツールとして利用したりしているようです。メタバース空間を構築するツールを提供することで、「メタバース」の普及促進に貢献しているわけです。

それと、現在、『Fortnite(フォートナイト)』は、iPadでは基本的にプレーできません。販売手数料のトラブルで、App StoreやGoogle Playから削除されてしまったのです。

それに対してエピックゲームズ(Epic Games)は、AppleおよびGoogleが独占的地位を濫用していると、法廷闘争をしています。このような権力にこびない姿勢も、Web3的な思想に合致し、応援したくなりますね。

【その3】『Fortnite(フォートナイト)』をはなぜ「メタバース」なのか?

『Fortnite(フォートナイト)』では、広告やプロモーションの発想も、ひと味違います。従来のバナー広告のような、見るだけのものではなく、メタバース的な観点で、商品そのものを体感することが可能になると考えています。

たとえば、『Fortnite(フォートナイト)』では、フェラーリとのコラボ期間中、ゲーム内でフェラーリの新型 296 GTB ハイブリットスポーツカーを運転することが可能でした

また、高級ブランド「バレンシアガ」とのコラボで、そのブランドの洋服を着たスキン(キャラクター)を登場させて、実際にリアルな洋服の販売もしています

さらに、アリアナ・グランデ、星野源、米津玄師などのミュージシャンのバーチャルイベントを開催するなど、仮想空間を使った新たな試みも行われています

《さいごに》

結論からすると、『Fortnite(フォートナイト)』は、ゲームが目指す方向性や、企業の方針など、ゲームを取り巻くすべてをひっくるめて、「メタバース」であると言えるのだと思います。中央集権的なネットの世界を壊して、オープンで平等なものにしようという姿勢も、すごく共感できますね。次回は、「メタバース」の後編です!

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